商店街の復権の好機が到来した
本格的な高齢化社会が到来し、また女性の社会進出が進み共働きが当り前の時代になりました。そして新型コロナウイルスで小売業・サービス業の店舗は来店客数・売上高が低迷、厳しい2年余りの期間が経過しました。その中で商店街もまた苦しい経営を余儀なくされてきましたが、見方によってはこれら時代と環境の変化は「復権の好機(チャンス)」が到来したと考えられます。
使い古された言葉に「シャッター通り」があります。商店街の中には地盤低下が続いているところも少なくないのは事実ですが、復権の兆しも見え始めています。ここに注目すべき調査結果(数値)があります。中小企業庁が3年に1度、全国の商店街を対象に実施している「商店街実態調査」(令和3年度実施)です。報告書では前回調査(平成30年度実施)と比較してその変化のポイント(概要)を掲げています。
・1商店街あたりの店舗数は増加
・1商店街あたりチェーン店舗率は増加
・商店街の業種別店舗数は飲食店(28.0%)がもっとも多い
・商店街の平均空き店舗率は減少
・空き店舗の今後の見通しは、増加すると回答した商店街(49.9%)が最も多い
・商店街組織の専従事務職員(パート、アルバイト含む)は0人の商店街が74.1%
以上は一部抜粋(原文のまま)です。さらに最近の景況は「繁栄している(繁栄の兆しがあるを含む)」が減少し、同時に「衰退している(衰退の恐れがある)」も減少しています。「衰退」の率の方が高いことは商店街の今後が懸念される調査結果といえます。
別図は弊社が作成した「商店街の復権のイメージ図」です。これまで「商店街の活性化」に取り組みつつもその成果が中途半端に終わった要因に‥
・商店街の活性化を「商店街の魅力づくり」(駐車場の整備、共同売出し等)に偏していた
・もっとも大切な「個店の魅力づくり」の議論が回避されていた(避ける傾向があった)
・後継者がいない店舗に対しての動機づけが不十分で、協力が得られにくかった
‥などがありました。
「商店街の活性化」は「復権へのイメージづくり」の共有化から始めましょう。そのための勉強会の開催を提案します。