2023年9月の重点活動 商売の組み替えをスタートさせる9月に‥!!

国連のグテーレス事務局長が「地球は温暖化から沸騰化へ」と警告しています。北海道でも最高気温が35℃、36℃の日が続出、東日本・西日本では猛暑日が〇〇日連続といった高気温記録が続き、海外に目を転じると乾燥と高温で山火事が多発しています。一方、家電業界ではこれだけ高温の日々でもエアコン、冷蔵庫の国内出荷台数は前年割れ(7月の日本電機工業会統計)が続いています。最盛期の「最大の販促策は気温」の時代は終わったようです。というより「業界規模が縮小時代に突入した」という前提で商売のあり方を組み替える時代の入口に立っているのかもしれません。

◆「上得意客」の客数を減らすな‼

連日の猛暑で期待してきたエアコンと冷蔵庫。7月の出荷台数は前年同月比で前者が76.2%、後者が96.9%と前年割れに終わりました。特に「最大の販促策は気温」といわれてきたエアコンの不振が目立ちます。そして1-7月の7ヶ月間で台数が伸長したのは洗濯機、ヘアドライヤー、電動歯ブラシの3商品(品目)のみと惨憺たる実態です。昔はテレビが中心の年末商戦で大きな売上げを稼いできた地域家電店でした。テレビの不振からこの10年ほどは夏商戦が年間最大の商機となってきたのが実態です。それだけに今年の夏の実態は経営にとって極めて大きな痛手といえます。9月は年末商戦への助走期間になります。もう一度自店の商売についての見直しの月にしましょう。
見直しの最大課題は顧客対策です。これからの地域家電店商売の重点客層は上得意客、日常活動の中心を上得意客の維持・増加に置きます。ここ3年間ほどの購入単価順に顧客一覧表を作成してみます。地域家電店の男性1人当たりの管理客数(取引客数)は300世帯程度のはずです。このうちの約20%程度、約60世帯が売上高80%を占めているのが一般的な数値です(「二八の法則」)。この20%の上得意客の平均客単価を調べます。従来、上得意客は毎年高い顧客単価を維持していましたが、最近は「客単価が急落する客(上得意客)が増えてきている」という声が度々聞かれます。特に家族構成の変化がその傾向に拍車をかけています。
客単価の急落客を放置しておくと売上高も同じ流れになります。短期的には顧客サービス=顧客満足の向上に努めつつ、その顧客接点の中で顧客ニーズを把握し、ニーズに沿った商品を選択、ニーズに沿った提案が求められます。

◆新しい商品にチャレンジする9月

9月の商売は自身の夏バテを回復しつつ、同時に新しい商品にチャレンジすることを心がけます。地域家電店にとってこれから避けて通ることができないのが、住まいの改善(リフォーム)ニーズへの対応です。支援体制が後退しているメーカーもあるといわれてはいますが、電気関係・住まい関係の軽工事・営繕工事を含めて家電品に近い分野から着手し、協力(下請け)体制を確立しつつ施工件数を増加させます。
お客様の高齢化とともにその住まいも高齢化しており、観察と対話を強化すれば新たな顧客ニーズが見えるはずです。訪問した際には屋外、玄関内外から始まり周囲を観察します。屋外では壁の「高齢化」度を診断ができます。そして玄関では「玄関ドア」の「高齢化」とともに「不適合化」を発見できるかもしれません。「トイレは?」「洗面所は?」「浴室は?」と視点を拡大します。
一般的に地域家電店の上得意客は「お金持ち」の高齢者が多いといわれています。高齢者にとっても消費者物価の高騰、社会負担の増加が問題視されてはいますが、自分のニーズに合った提案であれば受け入れる金銭的な余裕はあります。同時にこれまでと同じ提案商品・提案内容では売上高の低下を裂け目ことはできません。コロナ禍の3年間で自店を取りまく環境は大きく変わったことを再確認し、商売の組み替えを開始する9月にしましょう。