株式会社 コミュニティ・アドバンテージ

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問われる地域密着・顧客密着の充実

 家電(専門)量販店Y電機がこの春から夏に数十店舗の店舗閉鎖を敢行しました。これまでも不採算店舗の閉鎖は皆無ではありませんでしたが、多くはスクラップ&ビルドあるいは業態転換でした。大量撤収の裏には「ファンド対策」といった業績とは別の要素もささやかれているものの、業界関係者には大きな衝撃だったようです。そして今度はGMS(総合スーパー)の店舗網縮小のニュースです。
 経済の高度成長、そして大量消費時代には「規模の利益」を求めて、そして同業態間での「競争優位」に立つことを目的に、量販店は大量出店を行ってきました。その結果、多くの街の小売店(業種店)を閉店の追いやり、駅前商店街のシャッター通り化に拍車をかけたものです。もちろん消費者には安価に商品を提供し、その生活向上に貢献してきたことも見逃せない事実です。
 100%正解とはいえないまでも「生産年齢人口」(15~64歳)の構成比が高い時代は量販店が伸びるという説があります。総務省の人口推計(平成25年10月1日)によると昭和57年(67.5%)以降上昇してきましたが、平成4年にピーク(69.8%)を迎え、平成25年には62.1%にまで低下しています。同時に14歳までの「年少人口」は減少を続け、平成25年には12.9%と75歳以上とほぼ同率になっています。確かに「生産年齢人口」の減少と量販店の苦境は軌を一にしています。また高齢者の増加は量販店商法に修正を迫っていると見ることも可能です。ただし、量販店がすべて苦境という訳ではありませんので誤解がないように‥。
 その量販店の多くはチェーンストアという経営管理を行ってきました。チェーンストアの本質は本部主導の標準化・マニュアル化による効率化です。これが低価格化と大量出店を可能にしてきたことも事実です。そこにも修正機運が出ています。最近、商品政策で地元密着・顧客密着の必要性が叫ばれています。現実にそれを実践し成功している事例も紹介されています。南北・東西に広がる日本列島、全国一律の商品政策には無理があるのは当然のことです。また日々の仕事でお客様と対面するのは現場の販売員、その「ヤル気」と「工夫」を引き出すには「お仕着せ」より自主性が必要なのかもしれません。
 小売業の原点は地域密着・顧客密着だったはずです。量販店の動きはそこへの回帰ともいえます。チェーンストアが社会に貢献してきたことも評価されなければなりません。同時にどのように変わっていくかも注視したいものです。同時に街の中小小売店が、社会と流通の変化の中で本来持っているはずの地域密着・顧客密着をどのように充実させていくのかも問われているのです。再び淘汰の波に巻き込まれないためにも‥。

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