「事業方針」は「客づくり」がスタートに‥

第Ⅳ章 繁栄のピラミッドの構築⑧
《「長期戦略」から「長期計画」の立案へ》

地域店(地域家電店)に限らず小売業者にとって最大の経営資源は「顧客(お客様)」です。さらに顧客訪問型小売業の地域店では「顧客(お客様)」と並んでの「経営資源」は「人材(人財)」です。「事業方針」の策定でも「客づくり」と「人材の採用・育成」を重視します。これら2事業(活動)に共通するのは常に「相手」があり、また効果が出るには継続的な努力と時間が必要ということです。

「客づくり」でいま多くの地域店(地域家電店)が実施している活動は「お困りごと解決チラシ」の配布です。配布方法はポスティングあるいは新聞折込みがほとんどです。ポスティング、折り込みのいずれにも長短はありますが、開始時期は早ければ早いほど効果も早く出ることだけは事実です。

また今後はWebを活用しての増客活動もチラシと並行して実践することが必要です。以前、職業別電話帳(現在はタウンページ=TownPage)への広告を掲載している地域店がありました。引越をしてきた消費者が「近くの電気店は?」、家電品の調子が悪い時に「修理を頼める電気店は?」といった時に職業別電話帳を利用していました。新規客の獲得にはそれなりの効果がありました(現在でも計算している地域店も‥)。その現代版がWebの活用です。すでに実践して効果を挙げている地域店もあります。

新規客の獲得に限らず、これまでの経験からいえることは「長期計画」の作成の際に「2年目(3年目)から始める」ではほとんど「やらない」結果に終わっています。困難がともなっても1年目から何らかのアクションを起こすことがポイントになります。

チラシ配布は地区の選定が問題になります。長期戦略の「商圏戦略」に従って決定することになります。加えてポスティングの場合、既存の社員が配布する、業者を活用する、あるいは主婦パートを採用するといった方法があります。新聞折込みでは定期購読者の減少、依頼する新聞の選択や組合せの検討が必要です。基本的には配布地区の選択が容易なポスティングをお勧めします。

(次回に続く)