「経営計画」の売上高の設定のためのふたつの計算式

第Ⅳ章 繁栄のピラミッドの構築⑪
《「長期戦略」から「長期計画」の立案へ》

「長期計画の構成は「(長期)事業方針」と「(長期)経営計画」のふたつです。「事業方針」を実践した成果を数値でまとめたのが「経営計画」です。その「経営計画」は目標売上高(計画)を決めることからスタートします。売上高は「可能売上高」と「必要売上高」のふたつがあり、両者を算出したうえで調整して目標売上高を最終決定します。

前者の「可能売上高」は「(このような条件を充たせば)これだけの売上高の達成は可能」という売上高です。
・売上高=(想定)年間稼働客数×(想定)年間稼働客単価
・年間稼働客数、年間稼働客単価は「事業方針」により想定数値を決定

ここで注意が必要なことは「年間稼働客数」「年間稼働客単価」とも毎年度ゼロからスタートということです。前年度の実績が次年度のベースにはなりません。同時に条件があることも認識する必要があります。数字合せのために年々増加させると達成は困難になります。

もうひとつの「必要売上高」は(予定)必要経費、借入金返済金額、目標利益によって決まります。「必要売上高」の名称は‥
・「これだけの経費を支払うのに必要な売上高は?」
・さらに「これだけの借金を返済するのに必要な売上高は?」
・同時に「これだけの利益を挙げるのに必要な売上高は?」
‥から算出します。まとめると経営の維持・継続に必要な売上高ということです。
「可能売上高>必要売上高」となることが理想で、可能売上高が「経営計画」のその年度の売上高になります。反対に「可能売上高<必要売上高」になった場合はふたつの数値の間での調整が必要になります。

(次回に続く)