優先順位を決めて収集範囲と収集内容を決定する

第Ⅴ章 後継者が行う増販・増客活動❺
<DBMのための顧客データの充実⑤>

自店が立案した「長期事業計画」、ここで「リフォーム/住宅整備機器の強化」を掲げた場合、長期的な視点で「家屋情報」なり「家族情報」の収集が必要になります。また「顧客満足の推進」を掲げているなら「家族情報」や「生活情報」が必要です。「ともかく広く収集する」といった姿勢は必要ですすが、実務では「どの情報が必要か」といった優先順位を決めての計画的収集が「活用できる情報」の近道ともいえます。

通常、地域店(地域家電店)での6つの顧客情報、そして今後の充実ポイントは次の通りです(図Ⅴ-2参照)。
≪図Ⅴ-2≫

・基本情報…今後(PC、スマホの)メールアドレス等が重要な役割を果たす
・保有情報…4大家電品は必須、今後は中型家電と家電外商品のインプットも必要に…
・取引情報…商品販売のみならず、ソフト業務の取引き、接触記録も…
・家族情報…顧客サービスの計画に合せての情報収集を推進する(例=結婚記念日等)
・生活情報…「家族情報」と連動して収集情報を決める(例=共働きの場合は在宅日)
・家屋情報…部位(例=浴室)・ポイント(例=傷み)を決めての収集・管理を行う
上記の情報のうち上半分(3情報)は日々の注意である程度の追加収集・補充は進みますが、下半分(3情報)は意識的な収集が必要になります
・観察での収集…日常接点での観察で収集(例=タイル張りの浴室、便座の傷み)
・対話での収集…何気ない対話で収集(例=誕生日、結婚記念日、買物習慣、体調)
・質問での収集…準備した質問・チェックリスト等で収集(例=前回のリフォーム時期)

上記3つの収集方法を厳密に分けて実施することは不可能です。必要なことは集める意識・意欲を持ち、注意して観察(「観察での収集」)し、そこで得た情報をベースに「対話での情報収集」に発展させます。そして必要ならアンケート等を準備しての「質問での収集」を行います。

図Ⅴ-5は「地域店の管理情報の実態と今後の課題」です。どのような情報の追加収集・補充を進めますか?
≪図Ⅴ-5≫

(次回に続く)