実態を知るために顧客(お客様)の棚卸しも‥
第Ⅲ章 継承する財産の棚卸し(確認・再評価)⑦
顧客(お客様)は会社にとって貴重な財産ながら貸借対照表には記載されていません。特に顧客訪問型小売業の地域店(地域家電店)にとってはその数と質は継承(承継)後すぐに業績(売上高・利益額)を左右します。顧客は「金銭での評価が困難な財産」に含まれますが、この財産で唯一、数値(デジタル)での棚卸し(確認・再評価)ができる財産です。
一般的なDBM(データベースマーケティング)でのRFM分析では3つの基準で顧客区分を実施します。この分析は「次に買うのは誰か」「重点管理すべきお客様は誰か?」などの分析・判断に顧客情報(取引き実態)を活用する手法です。
◇R(Recency)‥最新購入(取引き)日
◇F(Frequency)‥一定期間の購入(取引き)頻度
◇M(Monetary)‥一定期間の購入(取引き)金額
同じ小売店でも業種・業態によりR・F・Mのどの数値を重視するかが異なります。またふたつあるいは3つを組合せて判断材料にすることもあります。
地域店(地域家電店)で「顧客数は?」の質問に対しての回答は「稼働客」で回答される経営者(店主)が多いようです。これは上記の基準では「R(Recency)」に該当します。同じ「稼働客」も年数が問題になります。
次の「F(Frequency)」(購入頻度)は購入回数を、3番目は「M(Monetary)」(購入金額)は高額の購入者を重視する区分方法です。
図Ⅲ-7は地域店のRMS分析の「ひとつの例」です。例えば「最終購入(R)」の欄では‥
◇Aランク客‥1年以内購入客
◇Bランク客‥2~3年間購入客
◇Cランク客‥4~5年間購入客
◇Dランク客‥6年以上11年未満購入客
◇Eランク客‥10年間無購入客
‥としています。R・F・Мには相互の関連性はありません。
(次回に続く)