情報は「生鮮品」、まず「発生情報」のインプットを…

第Ⅴ章 後継者が行う増販・増客活動➋
<DBMのための顧客データの充実②>

今回からDBM(データベースマーケティング)実践の出発点になる顧客情報の追加収集・補充を事例を交えて検討します。顧客情報の収集はまず「集めよう!!」という意識・意欲、次が収集活動の継続=収集活動の日常化が大切です。収集活動を継続するためにはシステムが必要です。

顧客データに限らず全ての情報は「生鮮品(生もの)」で、古くなると価値は低下し、役立たないことになります。お客様は(店が知らない間にも)常に変化しています。完全無欠な顧客データはありえませんが、常に鮮度を維持・向上する活動が必要です。図Ⅴ-2は「地域店の顧客情報の収集・管理・活用」の全体図ですが、上段の「情報の追加収集・補充」はそのことを表わしています。

「情報の追加収集・補充」では、まず「発生情報」を確実にインプットすることです。商売を継続しているとお客様との取引きは日々発生します。インプット作業は取引きが発生するたびに、あるいは毎日の業務終了時に必ず実施する習慣を身に付けます。社内体制が整っている会社なら翌日に事務担当社員が伝票や日報での情報をインプットするといったことも可能ですが、夫婦ふたりの会社(店)では役割分担を明確に、そして役割を責任を持って果たさなければインプット漏れが発生します。

地域店のお客様は(同じ店から)継続購入の構成比が高いという特徴があり、登録客なら「基本情報」はすでにインプット済みですから「発生情報」の処理作業は簡単なはずです。また大型商品、中型商品の販売時にはインプットするものの小型・最寄り商品さらにはソフト業務はインプットしない地域店も見られます。これでは活用段階(DBMの実践)で齟齬(そご)を来たす要因になります。取引きが発生するたびに漏れなくインプットするだけで顧客データベースは日々充実され、鮮度もかなり維持できます。

地域店の管理システムの運用を見ると情報の追加収集・補充が不十分なために「売上増進に役立たない」(活用できる範囲に制約)、役立たないから「取引きをインプットしない」「情報を収集をしない」の悪循環に陥っているケースも見られます。情報は「生鮮品」で同時に貴重な財産、このことを忘れずに日々「情報の追加収集・補充」に努めます。もっとも基本ともいえる「発生情報」のインプットは確実に行います。

 

(次回に続く)