経費と金融機関への返済額から「必要売上高」を算出する

第Ⅳ章 繁栄のピラミッドの構築⑬
《「長期戦略」から「長期計画」の立案へ》

会社には「これだけ売らなければ‥」といった売上高があります。この売上高が「必要売上高」です。「これだけ売らなければ経費が支払えない」売上高が「損益分岐点売上高」、そして「これだけ売らなければ借金を返済できない」売上高が「収支分岐点売上高」で、後者の方が金額は高くなります。返済が無い会社は同額です。返済がある会社は「収支分岐点売上高」が「必要売上高」になります。ここで注意が必要なのは「事業方針の推進に必要な経費」を経費予算に計上することです。必要売上高はこの経費増に伴って上昇しますが、前回の可能売上高を高める工夫が必要になります。

地域店の経費構造を分析すると経費のほとんどが固定費です。固定費とは売上高の増減に関係なく発生する経費。そして金融機関への返済金額もすでに判っているはずです。

経費は全額固定費(100%)と仮定すると損益分岐点売上高、収支分岐点売上高は下記の計算式(簡易計算式)で算出できます。
・損益分岐点売上高=経費÷粗利益率
・収支分岐点売上高=(経費-減価償却費+返済金額)÷粗利益率
収支分岐点売上高で経費から減価償却費を控除するのは減価償却費は唯一支出が伴わない経費だからです。

この計算式で経費を予測する時、「事業方針」ので推進で新たな経費が発生する場合にはその金額を加算します。忘れると事業展開が困難になり、同時に「長期構想」への接近から遠ざかることになります。

(次回に続く)