2023年12月の活動指針 硬い《財布の紐》を緩めてもらうには…
11月26日の日曜日、東京都内の量販店店頭は来店客で賑わっていた。特に寒波急襲で暖房機、エアコン売り場は店員の応対ができないほど。また洗濯機売り場では中年の夫婦がドラム式洗濯乾燥機前に「ずいぶん高くなった」と機種選択に悩む姿も見られた。ご主人に話を聞くと「冬は乾燥機付きのドラムタイプがいいと思うが、こちらに(縦型)比較するとすごく高い!!」、「長い間使うものだから、女房の希望に応えたいが、予算オーバーで困っている」ということでした。洗濯乾燥機は30万円突破の時代なのです。
◆「価格改定(値上げ)効果」が消滅した年末商戦◆「価格改定(値上げ)効果」が消滅した年末商戦◆「価格改定(値上げ)効果」が消滅した年末商戦
家電品(家庭用電気機器)の出荷統計を見ると大型商品の台数は前年比で減少傾向、金額で弱含みというのが実態です。「価格改定効果が消滅した年末商戦」といえます。別の表現をすると「今年の年末商戦では(値段上昇の中で)値上げされた家電品を売らなければならない厳しい年末商戦」といえます。
先月は『「脚」と「頭」さらには「迫力(こころ)」の三位一体の活動強化』を提案しましたが、このことは今月も継続することが必要です。コロナ禍の時のような訪問辞退は完全に消滅したものの、物価高騰により支出抑制の気運は一層強くなっています。地域家電店の顧客は「おカネ持ち」ですが、「できれば生活費は年金で賄いたい」という希望があるのは事実。それが物価高騰と社会負担の増加で崩れつつあるのが現状です。このような時、求められるのは「顧客接点の強化」といえます。
「顧客接点の強化」でもっとも効果的なのが「顧客訪問」ですが、多忙な師走では多くの件数(世帯数)をこなすのは困難ですからDMの併用を検討します。上得意客で主力商品の「買替え期待商品=買替え適齢期商品を保有している」世帯は訪問を企画します。営業担当社員1人当り1日2件としても40件が限度です。残りの顧客は「DMでの接点」です。
◆手づくり風の挨拶状と商品提案チラシ
「買替え期待商品」の提案チラシを送付する訳ですが、チラシのみを送り付けるのは非常に失礼です。手づくり風のあいさつ状を添付します。1年間のご愛顧への謝辞、そして年末・年始の営業予定(「正月休業中でも急なお困りごとには対応します」)、そのうえで「買替え期待商品」のセール案内です。
商品提案チラシは提案したい商品が冬期間(年末・年始)にいかに役立つかを柱にします。これは訪問した時の価値提案話法を思い出しつつ作成します。一例をあげると‥
・テレビ‥お子様、お孫さんが集まる年末・年始のテレビの楽しみ方、お孫さんが喜ぶ番組
・冷蔵庫‥年末・年始の食品の上手な買い方、保存の方法、まとめ調理の方法
・洗濯機‥冬に便利な大型洗濯機、冬の洗濯物の乾燥方法、
・エアコン‥運転時間が長い年末・年始の省エネ
12月(年末)に買替えていただくには「決断を促すための魅力」が大切です。もっとも判りやすいのは「大晦日まで特別価格」ですが、価格での打ち出しが困難なら商品別に「プレミアム」提供といった方法もあります。
◇発生処理訪問時には+α商品の提案を‥
12月は修理、配送、集金等での顧客接点が増加する月です。照明器具は12月の季節指数が高い商品です。最近、省エネ=節約からの提案件数が減少していますが、今夏の異常気象(集中豪雨、世界的な猛暑・干ばつ)と省エネ=環境保護・人類の生存から改めて提案を行います。要は「+α商品の提案」の強化です。
12月は必ずしも季節指数が高いとはいえませんが、年明け直後から始まるのが花粉の飛散です。日本気象協会が9月に発表した予測では北海道は飛散量が「非常に多い」、東北は「多い」、関東以西は「やや多い」ということです。空気清浄機も取組み推奨商品といえます。