2024年4月の活動指針 夏商戦はエアコンと冷蔵庫を軸に‥
国内トップ、3月20日に高知で桜(ソメイヨシノ)の開花が宣言されました。これから桜前線は西日本、東日本そして北日本へと全国に拡大し本格的春が到来します。そしていよいよ夏商戦へと「戦い」が進みます。
夏商戦の主力商品、というより地域家電店にとっては年間を通じての主力商品がエアコンと冷蔵庫です。年間売上高・粗利額のトップがエアコン、次いで冷蔵庫(他商品のお店も)というのが実態です。
家電品の国内出荷を見ると主要家電品の「台数減」とともに「金額減」が続いています。その中でエアコンのみが台数・金額とも増加している唯一の商品です。とはいえその数値は「微増」で売上高を伸ばすためには新たな発想、新たな行動が求められるのは地域家電店、家電量販店とも共通しています。
◆エアコンは「2台目」に視野を拡大する
地域家電店の商品販売では「1台目」は積極的に推進するものの「2台目」の取組みは弱いう傾向が見られました。例えばテレビではリビングのメインテレビは自店での受注に成功するが子供部屋や寝室の「2台目」の小型タイプは量販店に需要を奪われる、またクリーナーでも同じ傾向が見られました。
それではエアコンはというとテレビやクリーナーほどではありませんが、同じような傾向が見られました。これまでは「子供部屋だから安い機種でいい」「どうせ寝室だから」といった認識が消費者自身にもありました。また春先にエアコンの点検訪問を展開している地域家電店でも「寝室は見られたくないす」「子供たちの部屋は入ると嫌がられる」といった高い壁に阻まれ、アプローチすらできなかったのも事実です。
エアコンも性能(耐久性)の向上で買替え年数が伸びています。この10年間の平均買替え年数を「内閣府消費動向調査」で見ると2014年は10.6年だったものが2023年では13.6年、10年間で3年も長くなっているのです。この「買替え年数の長期化」に多少の歯止めをかけているのが「1台目」の積極的なアプローチ」での買替え年数の短縮化ですが、こと2台目」以降は長期化の波に押し流されているお店が少なくないはずです。
最近、テレビコマーシャルやネット広告が増えている商品に寝具があります。ベッドやマット、布団といった商品です。枕単独のコマーシャルすらみられます。1日24時間のうち、寝室で過ごす時間割合は3分の1、8時間といわれています。いずれもが安眠・快眠での健康維持のための睡眠環境の大切さをアピールしています。
夏の猛暑の中では寝具周りの改善より睡眠中の熱中症の方に目を向ける必要があります。しかし、お年寄りは「眠る時にはエアコンの風が‥」という人が多いのも事実です。
最近は家電メーカーもそのような消費者の声に配慮しての商品開発を進めています。今年はこのような機種を活用して「2台目」=「寝室の環境改善」の取組みを積極化したいものです。
◆冷蔵庫は調理器具としての提案を・・
冷蔵庫も平均買替え年数が伸びたうえ、同時に洗濯機と同様に買替え理由は「故障」が高い構成比になっている商品です。「まだ冷えている」の断りの高い壁を越えるには苦労が伴います。また買替えのアピール材料も減っているのが実態です。とはいえ、「売らなければならない」商品なのです。そのためには話題が「お客様の生活」にピッタリであることが求められます。
これまで「大型化⇒まとめ買い⇒家計節約」「野菜室と冷凍室の場所の入替え⇒重い野菜への対応⇒使い勝手の向上」「庫内温度の多様化⇒食材に合った保存・保管」等をアピールしてきました。今後も必要に応じて話法に組み込むことは必要ですが、発想を「冷蔵庫=食材の保管庫・保存庫」から「冷蔵庫=調理器具」のひとつとしての提案を組み込むことを提案します。
他の調理器具を販売する時、そのお客様の調理に合った提案をします。「美味しいハンバーグを作るには、焼くには…」、「美味しいステーキは‥」「シャキッとした野菜サラダを‥」といった「お客様の好みの料理」「作ることが多い料理」を軸に食材を含めて提案をするといった手法です。テレビを売るときにはテレビ番組を話題にするのと同じ手法です。冷蔵庫もソフトを売る時代なのです。
㈱コミュニティ・アドバンテージ 代表 妻木 潔