2024年9月の重点活動 「四大商品オンリーからの脱皮」トライアルの月に‥
「非常に強い」台風として接近、九州に上陸後は「強い」台風、その後に熱帯低気圧になったものの、徒歩あるいは駆け足程度の遅さでまさにノロノロ台風。それだけに風、雨とも長時間続き被害を大きくしました。ノロノロと同時に進路予測が困難で気象庁から発表される進路予測の予報円は非常に大きく、また発表ごとに微妙に変わりました。それだけ予測が困難だったということでしょう。
問題はノロノロと迷走の理由です。識者は日本近海の水温の上昇などを挙げ「温暖化の影響」とし、また「温暖化の影響」「今後も起こる」としていることです。10号の動きを深刻にとらえるべきと訴えているのです。
◆テレビ需要に光が見えてきた
猛暑・酷暑の中での夏商戦、地域家電店の実績を見ると前年実績を維持できたお店は「まずまず」といえます。商品別の見ると主力商品エアコンが「もう一歩」というのが実態でした。同時に冷蔵庫と洗濯機、「白モノ」と呼ばれている大型2商品も昨年来の不振が続いています。まず冷蔵庫はエアコンと並ぶ夏モノ商品の主力商品です。季節商品ではありませんが、6~8月の季節指数が高い商品ですが、今年の夏商品では売上台数が低下した地域家電店が多かったようです。
次が洗濯機。コロナ末期の価格改定(値上げ)で単価が急騰した商品です。台数が減少しても「売上高は伸びた」地域家電店が多かったものですが、これも単価アップ以上の台数減に陥っているのが昨今の実態です。4大商品でエアコンは「店舗間格差が拡大」し、冷蔵庫と洗濯機は「全般的に不振」でしたが、テレビのみは「やや回復の機運」が見られます。本稿でも夏商戦でのテレビの取組み強化を提案しましたが、積極的に取り組んだ地域家電店は多くはなかったようです。
◆9月は多くの顧客接点を持ち、また何でも売る
地域家電店の売上金額での季節指数を見るとテレビの年間需要が1千万台商品だった頃は年末商戦が、代わってエアコンが800~900万台まで拡大した時代には夏商戦が、それぞれ年間売上高のピークになりました。そしてテレビの不振に直面したことで年末商戦の売上高が低下、これと歩調を合わせたようにエアコンの売上高が伸びテレビの低下をカバーしました。このところ、そのエアコンの先行きが不透明、となると夏商戦で「売上高を稼ぐ」ことができないことを意味します。
夏商戦の雲行きが怪しくなって3~4年が経過しました。猛暑・酷暑が到来しても「エアコンと冷蔵庫で稼ぐ」ことは困難になったのです。前掲の台風の速度と進路と同じように、家電品需要は構造変化に直面しているのです。
全店が意識したいのが「4大商品オンリー(中心)の体質」からの脱皮です。世帯人数の減少、単身者の増加は間もなく世帯数減少へと進みます。4大商品の需要減少は避けようもありません。というよりすでに始まっています。幸い地域店には4大商品以外に「弱い商品」「売るべき商品」があります。掃除機、電子ジャー炊飯器、電子レンジ、照明器具などです。また台数は小さいもののオール電化機器もあります。
今年の9月は「商品幅の拡大」のスタート月にします。「多くの顧客接点を持ち、また何でも提案する、何でも売る」ことです。そしていまこそ家電品隣接分野のリフォームへの本格的な進出の検討も必須課題です。
◆自然災害の増加で「米」のチラシを配布している!!
ライフテクトヤマグチ(旧屋号=でんかのヤマグチ)といえば先進的な地域家電店として著名ですが、今月の提供商品のひとつに「米」があります。テレビや新聞で「スーパーの店頭から米が消えた」といった報道がなされている時、独自のルートで米を確保、自店客への提供を開始したのです。
「米の入手ルートがない」という言い訳が聞こえそうですが、それなら「防災用品は?」というと「それなら‥」といった答えが‥。防災用品のサーチライトを提案しつつ「電気代、今月も上がりますね」とLED照明器具へと話を発展させることは可能なはずです。四大商品オンリー(中心)からの脱皮は身近なところにあるのです。
㈱コミュニティ・アドバンテージ 代表 妻木 潔