
10月の重点活動
夏の教訓を踏まえ、年末の合展に備えよう
今年も合展シーズンが到来しました。すでに終了した地区もあるが、今月がピークを迎える。
年末商戦の戦績はこの合展の売上高に左右されるというのが地域店の実態で、それだけに成功させることが大切である。
合展の成果を算出する計算式のひとつに‥
◇合展の売上高=招待状配布枚数×来場率×購入率×購入客単価
‥があります。
この夏の合展を見ると、購入率と購入客単価は維持あるいはややアップした会場が多かった。
課題として残ったのは来場率が低下したことである。
全般的に来場率低下に影響されての売上げ不振に悩まされた半面、
太陽光発電(家庭用・産業用)やリフォームの提案・商談機会に活用したお店は前年実績を維持あるいは伸長させることができた。
最近のお客様の合展への来場傾向を見ると‥
①上得意客であっても合展に来ないお客様は来ない
②半面、合展好きのお客様は買う、観る商品がなくても必ず来る(高齢化で減少傾向)
③通常客は買う、観る商品がなければ来ない(目的がなければ来ない)
‥が見られ、購入率、購入客単価は大きな変化はない。要は目的来場客の来場率に売上高は大きな影響を受けるということである。
さらに計算式を増やすと‥
◇合展の売上高=事前売上高+当日売上高+フォロー売上高
◇合展の売上高=A商品売上高+B商品売上高+C商品売上高+‥‥
‥という表現もできる。先の「掛け算による売上高」が戦略的な計算式というなら、後者は戦術的な計算式といえる。
夏の合展は来場率が低下したなら、この年末の合展は戦略としては来場率が回復するような企画そのもの、そして展示する商品の幅の拡大などで、
「このような商品が出品されるなら行ってみよう」といった「目的来場客」を増加することである。
そして戦術的には非来場客に対して「事前売上高」によって「偽装来場客」を増やすことである。
当日の売上高が厳しければ事前売上高を、事前売上高および当日売上高が思うように伸びなければフォロー売上を
伸ばすための活動を徹底的に展開することである。
合展参加店がもうひとつ注意したい計算式は商品別売上高である。
まず、商品別の計画を立案し、それに見合った見込み客(購入可能客)を確保することである。
もし、それで目標に届かなかったら商品幅を拡大してのその商品の見込み客の来場を実現する。
夏の合展を例にとると太陽光発電やリフォームの見込み客の来場を実現し、売上高を伸ばしたのである。
4月の消費税税率アップ後の小売業全体の業績動向を見ると、ヤマが高かった業界はタニも深かった(広かった)、
逆にヤマが低かった業界はタニも浅かった(狭かった)。
これはあくまでも傾向であって全ての業者に当てはまってはている訳ではない。
詳細に見ると「まだら模様」なのである。
この消費税税率アップを境に「消費者が変わってしまった」可能性が高い。税金分以上に物価が上がっている。
半面、所得は伸びていない。生活防衛のため選択的消費を強める新たな消費者像が見え隠れし始めている。
例えば外食を減らして内食を豪華に、また耐久消費財の購入基準の変化などが考えられる。
この年末の合展は夏の合展での課題を克服することを基本に、
生活防衛を強める消費者に対応することを意識して取組むことが大切である。